「マイナスにならない暮らし」とは何か

家計簿が「使ったあとの集計」だけで終わると、毎月気が滅入ります。みとおし手帳が目指しているのは、貯金額ではなく「口座がマイナスにならない」を中心に据えた家計の見方です。

はじめに

家計簿アプリを開いたとき、まず目に飛び込んでくるのは「先月いくら使ったか」という数字ではないでしょうか。 円グラフが並び、食費が予算をオーバーしたと赤い文字が出る。便利な機能ですが、毎月それを見続けると、家計の話題そのものが少しずつ気重になっていきます。

amafuku がつくっている「みとおし手帳」では、ふだん家計簿が中心に置いている「使ったあとの集計」ではなく、「これから動く予定のお金」と「月末にいくら残るか」を中心に据えています。 その背景にある考え方が、「マイナスにならない暮らし」というコンセプトです。

なぜ「貯金額」ではなく「マイナスにならない」を中心に置くのか

貯金の目標は、人によってかなり違います。 月 5 万円積み立てたい人もいれば、まずは生活費で精一杯という人もいる。 子どもの教育費、住宅ローン、老後への備え、何を優先するかも家庭ごとに違います。 つまり「貯金額」は、誰にとっても同じ意味を持つ数字ではありません。

一方で「口座がマイナスにならない」は、ほとんどの人にとって譲れない最低ラインです。 給与日まで残高がもたない、引き落とし日に残高が足りない、そういう事態は誰にとっても困ります。 マイナスを避けるという目標だけは、家庭の状況に左右されず誰にでも当てはまる共通の関心事です。

だから、家計の見通しを語るときに最初に立てるべき目標は、貯金額ではなく「マイナスにならない」だと考えています。 そこさえ守れていれば、月の途中で少し使いすぎても、自分を責める必要はありません。 そこを軸にすると、家計の話題は「失敗の反省」ではなく「未来の調整」に切り替わります。

マイナスにならないために必要なのは「見通し」だけ

口座がマイナスになる事故は、たいていの場合「うっかり」で起きます。 給与日のあいだに大きな引き落としが重なっているのを忘れていた、年に一度の保険料が今月だったのを覚えていなかった、ボーナス払いの金額を見落としていた。 後から振り返ると、誰でも分かる種類のミスです。

つまり、防ぐために必要なのは「節約の頑張り」ではなく、「今月から来月にかけて、どのお金がいつ動くか」を一覧できる仕組みです。 一枚の紙に「○日に給与が入る」「○日にカード A の引き落とし」「○日に家賃」と書き並べるだけで、月末に残高がギリギリかどうかは見えます。

みとおし手帳は、その「一枚の紙」をデジタルでつくるための道具です。 予定の収入と支出を書き込むほど、月末のみとおし(予想残高)が自動で計算されます。 ギリギリだと気づけば、何か一つ予定を翌月にずらすか、額を少し減らすかを考える時間ができます。 これだけで、マイナスの事故はかなり減ります。

「使ったあと」より「動く前」に書く

ここで家計簿との一番の違いが出ます。 家計簿は、お金が動いたあとに記録します。 ところがマイナスを避けるには、動くことが分かっている予定を「先に」書き込んでおく必要があります。 予定が並んでいてはじめて、月末のみとおしが立つからです。

幸い、家計の支出のかなりの部分は事前に予測できます。 家賃・通信費・サブスク・保険料は固定。 カードの引き落としは、買い物のたびに記録さえしておけば、締め日と支払日で自動的に決まります。 給与の入金日も固定。 これらをひととおり予定で書いておけば、月末のみとおしはほぼ正確に立ちます。

残るのは、食費や日用品のような「使ってみないとわからない」支出です。 これらも「今月はだいたいこのくらい」と見込みで予定に入れておけば、月末の残高は大きく外れません。 完璧でなくていい、ゆとりを持って見込んでおけば十分。 みとおし手帳の予定は、当たらなくても罪悪感を持たない設計になっています。

細かい改善は、マイナスを避けてから

「マイナスにならない暮らし」を 1 ヶ月、2 ヶ月とつくっていくと、家計に少しずつ余白が見えてきます。 そうなってから、はじめて「外食を減らそうかな」「サブスクを整理しようかな」といった細かい改善に取り組めます。 順番は、マイナスを避ける → 余白を見つける → 改善する、です。

家計簿アプリが「最初から細かい改善」を要求してくるのは、しんどい順番です。 まずは月末の残高を見通せる感覚を取り戻して、そこから先のことを考える。 amafuku がつくっているのは、その第一歩のための道具です。

もしご興味があれば、「みとおし手帳」のサービス紹介もご覧ください。

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