家計簿が続かない人のための、見通しの立て方
家計簿が三日坊主で終わってしまう原因はだいたい 3 つに整理できます。「使ったあとに書く」ことを諦めて、「動く前に書く」に切り替えると、続かなくても困らない仕組みになります。
はじめに
家計簿を始めては挫折する、というのは多くの人が経験することだと思います。 「今度こそ」と意気込んで始めても、2 週間ほどでレシートが溜まり、入力が追いつかなくなり、いつの間にかアプリを開かなくなる。 これは性格や根気の問題ではなく、家計簿という記録方式そのものに続きづらい構造があるからです。
ここでは、家計簿が続かない原因を 3 つに分けて整理したうえで、 「使ったあとに記録する」発想を一度手放して 「動く前に書いておく」方向に切り替える方法を紹介します。
続かない原因 1: 「使ったあとに書く」のは罰ゲームに近い
家計簿のもっとも基本的な使い方は、お金を使ったあとにレシートやスマホ通知を見ながら記録することです。 これは一見、合理的に見えますが、実際にやってみると毎日 5〜10 分の追加作業が発生します。 そして、その作業は楽しくありません。 自分が使ったお金の総額が増えていくのを眺める時間だからです。
「夜寝る前に今日のレシートを入力しよう」と決めても、疲れた日はサボります。 サボった日のレシートは翌日に持ち越され、3 日分のレシートが財布に溜まったあたりで「もう無理」となります。 これは意志の弱さではなく、「楽しくない作業を毎日続ける」という設計自体が無理筋なのだと考えています。
続かない原因 2: 分類で迷う
もうひとつのつまずきは、カテゴリ分類です。 コンビニで買ったパンとコーヒーは「食費」か「外食」か。 文房具屋で買ったノートは「日用品」か「教育費」か。 ドラッグストアで買った歯磨き粉と栄養ドリンクは別の枠に分けるべきか。
こうした分類は、家計簿アプリが自動で集計するために必要なものですが、入力者にとってはひと手間です。 「正解」がないので考え込んでしまい、入力に時間がかかります。 1 件 30 秒のはずが、迷っているうちに 2 分かかる。 これが何件も続けば、入力そのものが嫌になっていきます。
続かない原因 3: 振り返っても次月に活かしにくい
家計簿は基本的に「過去の集計」です。 月末に「今月は食費が予算より 8,000 円オーバー」と分かっても、もうそのお金は戻ってきません。 来月の食費を抑えようと決意しても、また月末になると同じ結果になっていることが多い。
未来の家計に効く形で活かそうとすると、過去のデータからシミュレーションを組む必要があります。 これは家計簿アプリにとっても得意分野ではなく、ユーザー側にも家計分析のリテラシーが要求されます。 「がんばってつけても結局来月のために使えない」という体感が、続けるモチベーションを削いでいきます。
「動く前に書く」と続けやすくなる理由
ここで発想を変えて、お金が動く前に書いておく方式に切り替えてみます。 来月のカード請求、来月入る給与、来月の家賃、来月の通信費。 これらは事前にいくら動くかが分かっています。 動く前に書いておけば、レシートを集める必要はありません。
予定で書いておくと、もうひとつ良いことがあります。 書くときに「これ買う?」と一拍考える時間が生まれることです。 お金を使う前の段階で「予定を入れる」というアクションを挟むと、衝動買いが少し減ります。 家計簿で「あとから反省する」のと違って、未来を変えるチャンスがある。
実際にお金が動いたタイミングでは、「予定」を「済み」に切り替えるだけで完了します。 金額が当初と違っていたら、その差額だけ調整します。 毎回の操作はワンタップ程度。 「使ったあとに新規入力する」のと比べて、心理的な負担がぐっと軽くなります。
まずは 1 週間ぶん書いてみる
「予定で書く」と聞くと大ごとに聞こえますが、最初は 1 週間ぶんで十分です。 来週引き落とされるカード請求、来週入る給与、来週払う家賃や通信費。 これらを書き込めば、来週末の口座残高はかなり正確に見通せます。
1 週間うまく回ったら、もう 1 週間、その次は 1 ヶ月分と少しずつ伸ばしていきます。 みとおし手帳では、よく使う支出をテンプレ化したり、給与のような繰り返し支出を一度の入力で月次自動入力にする仕組みを用意しています。 軌道に乗れば、月初に 10 分ほど書き込むだけで、その月の見通しが完成します。
「続かない」を前提に設計する
とはいえ、人間はサボります。 みとおし手帳も「毎日書かないと崩壊する」設計だと、結局家計簿と同じ運命をたどります。 そこで、書き忘れても「みとおしが少しズレる」程度の影響しかない仕組みになっています。 過ぎた予定は「チェック待ち」として目立つ位置に並びますが、責められている感じはありません。
書き直したくなった日に開けば、また見通しは戻ります。 完璧を目指さない、続かなくても困らない、そのくらいの距離感で家計と付き合えるツールがあってもいい。 これが、家計簿に挫折してきた人に向けて amafuku がつくっているものの考え方です。